介護がどの業種に当たるかというと、サービス業となります。しかし、サービス業というと、ホテルなどの接客業をイメージする傾向が強いので違和感を覚える方もいるでしょう。実は業種の区分というのは、総務省が出している「日本標準産業分類」というガイドラインに沿っているのです。それによると、介護は「医療・福祉」という大枠の「社会保険・社会福祉・介護事業」という項目に入っています。そして、こうした区分はサービス業というジャンルに分けられているのです。
この分け方によると、サービス業というのは物理的なモノを作ったり提供したりするのではなく、知識や技術を提供する業務という考えに基づいています。そのため、サービス業には医師も含め、弁護士や美容師などの専門職も含まれています。こうした区分法を考えると介護がサービス業になるというのが理解しやすいでしょう。実際に、介護する場合には、「介護サービス」を提供するという言い方もしますので、やはり業種としてサービス業に当てはまるというのも納得がいくところです。
介護という仕事の中でも、一般的にとらえられているサービス業により近い仕事もあります。たとえば、サービス付き高齢者住宅でのケアです。もちろん、必要に応じて生活介助をする施設もありますが、入居者の方の必要に応じてきめ細かな生活上のサポートをします。接客マナーを重視した接遇が求められる施設もあって、幅広い業務が関係してくるケースも見られます。このように介護職という仕事がサービス業であると意識すると、自ずとマナー向上に繋がるでしょう。