認知症の方への言葉遣いのマナー

認知症を患ってしまうと、周囲の誰もが驚くような行動をとってしまうことがあります。それらは認知機能の衰えなどの原因により起こりますが、認知症を患う高齢者の方が予想外の行動をとった場合、家族や介護を行う人はそのことを責めてはいけません。責められると、高齢者の方は何故自分が責められているんだと戸惑い、悲しむこととなります。周囲の人間からすれば異常な行動であっても、認知症を患う高齢者の方の中では筋道が通っているのです。

昔住んでいた土地に行こうとするのは認知症を患う方にありがちな行動ですが、これは自らの若い時の状態が現在の状態だと勘違いすることにより起こります。当人は住んでいるところに帰るという正当な理由により行動しており、迷惑をかけようとしているわけではないため、その行動をとがめられては不愉快さを感じるのも当然のことです。介護を行う側からすれば、認知症を患う高齢者の方の突飛な行動は迷惑に感じられるものですが、だからといって責め立てれば高齢者の方は不信感を覚えます。

また、たとえ柔らかい言葉遣いであったとしても、突飛な行動をとることを否定するのはNGです。高齢者の方が昔住んでいた土地に向かおうとした場合、そこに行っても意味がないなどと言ってもよい結果にはつながりません。認知症を患っている高齢者の方と会話を行う場合、相手の間違いを正そうとしても関係性が悪化するだけなので、高齢者の方に寄り添う発言を行うように心がけたいところです。